インボイス登録期限の特例とは?

インボイス登録申請期限には例外あり

インボイス登録するためには、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を2023年3月31日の提出期限までに提出する必要があることは、これまでの記事で解説しました。

(参考)
7-1.インボイス申請書の書き方(個人事業主向け)
7-2.インボイス申請書の書き方(法人向け)

ただし、この提出期限には例外があり、2023年3月31日までに登録申請書を提出できなかった「困難な事情」がある場合には、その事情を「適格請求書発行事業者の登録申請書」に記載し2023年9月30日までに登録申請書を提出すれば、インボイス制度の開始日である2023年10月1日にインボイス登録を受けたとみなされることになっています。

困難な事情とは?

ところで、ここでいう「困難な事情」とは具体的にどういった事情を指すのでしょうか?

この点は、国税庁が発表している法令解釈通達(いわゆる、インボイス通達)において「その困難の度合いは問わない」と定められています。

文言をそのまま解釈すると、「インボイス登録の是非について社内検討に時間を要したため」や「インボイス登録後の取引価格について顧客と交渉が長期化したため」といった理由でも十分認められ得るものと考えられます。

もちろん、嘘の「困難な事情」を記載することは認められませんが、「インボイス登録するか迷っている」「インボイス制度の検討をもう少し時間をかけて実施したい」などの考えがある事業者については、少しばかりの時間的猶予が得られる可能性も出てきそうです。

申請書における「困難な事情」の記載箇所

「困難な事情」があったために、原則的な登録申請期限である2023年3月31日から9月30日までの間に登録申請書を提出する場合には、登録申請書に「困難な事情」を記載することを忘れないようにしましょう。

もし、この記載を忘れて登録申請書を提出した場合、インボイス登録の事業者になれるのは、課税庁側でインボイス登録を実施した日になってしまいます。

インボイス制度の開始前後は登録申請書が多数寄せられることが予想され、この「困難な事情」の記載のない登録申請書を提出してしまうと、インボイス登録が完了する日が後ろにずれこんでしまう可能性もあります。

(現行様式では、登録申請書1枚目の下段に「困難な事情」を記載する欄があります)

【こちらもチェック】
<驚きの料金>インボイスの対応を税理士に丸投げしてみては?