出張日当を活用した節税
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マイクロ法人で出張日当をおすすめする理由
マイクロ法人の節税策として、強い効果を発揮するものひとつに出張日当制度の導入があります。
例:東京のとある会社の役員が、1泊2日の大阪出張をした場合・・・
役員報酬とは別に、出張日当5,000円x2日分=10,000円の手当をこの役員へ支給することができます。
(※ここでは1日あたりの出張日当を5,000円としています)
この制度の趣旨は、役職員が出張したときに生じる追加的負担(例えば、外食する必要がある、長時間の移動、洗濯や出張用備品の購入など)に対して、一定の手当(=出張手当)を支給し、報いることができるようにしよう、というものです。
当該出張手当は、法人の経費として計上される一方、もらった側である役職員の給与所得には含まれません。その結果、以下のメリットが生まれます。
出張手当をもらう側(社長など)のメリット
- 所得税・住民税が非課税
- 上記の例で紹介した出張日当の収入は、所得税・住民税が発生しません。つまり、最大で出張手当の約55%の節税効果が生じる計算となります。
- 社会保険料の標準報酬月額に含まれない
- 出張手当は所得税・住民税だけでなく、その収入に対して社会保険料も発生しません。社会保険の料率は収入に対して約15%程度ですので、この部分の節税効果が生じる計算となります。
出張手当を支給する側(=マイクロ法人)のメリット
- 出張手当が経費になる
- 役職員へ支給した出張日当は、法人で経費計上され、利益圧縮効果が得られます。
- 出張手当の仕入税額控除が取れる
- 出張手当は消費税の計算上、課税仕入の額に含まれます。したがって、法人で納める消費税の削減効果も生まれます。
なお、出張手当はマイクロ法人のみならず、大手企業でも導入している事例が見られます。企業での勤務経験がある経営者の方は、勤め人時代の出張時に会社から出張手当を貰ったことがある方も多いのではないでしょうか。あれ、非課税です。
注意点(リスク)
節税効果の高い出張手当制度ですが、良いことばかりではありません。ルールに定められた要件を満たさない場合、否認リスクや、場合により役員賞与認定されるなど、むしろ税額が増えるリスクもあります。以下では主な注意点をまとめています。
注意点1:出張手当規程の制定が必要
法人で出張手当について定めた規定を整備し、その規程通りの運用・支給が必要となります。
形式的に出張手当を定めたとしても、規程に沿った支給をしていない場合、否認されるリスクは高まりますので注意してください。
注意点2:法人に所属する全員を対象とする必要あり
注意点1で述べた出張手当規程を制定したとしても、「社長にだけ出張手当を支給する」といった内容は認められません。完全なひとり会社であれば、そもそも支給されうる人は社長だけですので、気にする必要はありませんが、従業員を雇用している場合は、当該従業員の出張時にも手当支給が必要となるので注意が必要です。
ただし、役職員間で出張手当の金額に差をつけることは問題ありません。例えば「役員の出張手当は2,000円」「非役員の出張手当は1,000円」といった内容はOKです。
注意点3:支給基準に明確な決まりはない
出張手当が「何円までなら認められるか」について法律上の明確な決まりはありません。また、「○○Km以上の遠方」から出張手当を出して良いという明確な基準もありません。※「相場のようなもの」はありますが、、、
出張手当の趣旨は前述の通り、「出張に伴う追加的な各種負担を報いる」というものなので、この趣旨を逸脱した高額な手当や、近場への移動に対して手当を支給するなどの場合は否認されるリスクが高いでしょう。
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