借り上げ社宅を活用した節税

マイクロ法人は社宅導入が超おすすめ

マイクロ法人(ひとり会社)で事業を行うメリットの代表格として、借り上げ社宅制度の導入が挙げられます。

これは、社長が住んでいる賃貸物件の家賃を5割~9割程度、法人経費として計上できる制度です。(※家賃として経費計上できる割合は物件によって異なります)
この社宅制度は個人事業主では適用ができないため、マイクロ法人ならではのメリットということができます。

【イメージ図】

なお、この社宅制度は、役員だけでなく直接雇用している従業員にも適用できる制度です。したがって、マイクロ法人からステップアップし、従業員を増やし始めた企業にも効果的です。
中小企業は大企業と比較すると採用力が弱く、加えて、良い待遇を出すことが難しいことが一般的ですので、従業員のリテンションとして活用し効果を上げている企業もあります。

社長個人の税金・社会保険料の削減効果もあり!

税金・社会保険にも効果がある理由

借り上げ社宅制度を利用していない場合、社長は毎月の役員報酬から各種税金・社会保険等が控除された手取りから家賃を払います。

一方、借り上げ社宅制度を導入すると、法人の税引前収入から家賃の大部分(5~9割)が支払われ、社長個人は残りの1割~5割の家賃を会社に支払うのみでOKです。

つまり、毎月の手取り額から家賃に充てる金額が大幅に減少するので、その分、役員報酬の額面を引き下げることができます。その結果、所得税・住民税や社会保険料の削減効果も享受することができます。

具体的な事例で解説

前提:社長が家賃15万円の物件に住んでおり(社宅制度を導入した場合の役員負担額は2万円)、家賃を除いた生活費が15万円とします。つまり、社宅制度がなければ家賃15万円+生活費15万円の手取りが必要のケースです。

社宅制度なし社宅制度あり差額
役員報酬月額400,000220,000▲180,000
社会保険料65,00030,000▲35,000
所得・住民税35,00020,000▲15,000
手取り額300,000170,000130,000

上記事例における社会保険・所得・住民税の金額はだいたいの値ではありますが、同じ家賃・生活費だったとしても、社宅制度のある・なしで必要な役員報酬は月18万円変わってきます。この結果、納付する税金・社会保険料は月額5万円削減できることになります(年額だと….月5万円x12=60万円!)

借り上げ社宅の導入条件

節税メリットの非常に大きい制度ですが、条件が複雑、かつ、ルールに定められた要件を満たさないと給与所得として課税され、かえって税額が増える場合もあるので、注意が必要です。

主に、以下2点の条件を満たす必要があります。

条件1:法人名義で賃貸すべし

物件は法人名義で借りる必要があります。社長個人名義で借りている物件の家賃を会社が払ったとしても、給与認定されます。

また、最悪の場合は、法人が払った家賃は(定期同額給与にも該当しないなどの理由で)経費算入されず、給与認定された部分の税金だけ認定されるケースもあり得ます。

条件2:通達で定められた家賃を会社に支払う

社長個人→法人へ支払うべき家賃は所得税基本通達において定められており、以下(1)~(3)の合計額とされています。(99㎡以下の場合)

(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

社長が支払う家賃がこの金額より低い家賃の場合、差額は給与認定されることになり、上記条件1で記述したと同じ問題が生じます。

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